かぼちゃの悪魔

インド彼氏とのロマンスコメディーを書こうとして徐々に迷走し始めたブログ

日本かぼちゃばなし 4

~前回までのあらすじ~

休日返上でサービス出勤を強いられていたかぼちゃのカボタンは、「頻尿(頻汁)かぼちゃ事変」で過呼吸(過蒸散)を起こしてしまいました。



もうかれこれ1週間は経ったでしょうか。野菜室に引きこもりっぱなしのカボタンの皮には、とうとう霜が付き始めました。あの日以来、カボタンは畑に行っていません。ブラック畑なので、もちろん有給(有肥)休暇なんて存在しません。


実はあれから数日後、カボタンの身(実)に異変が起きていました。ほぼ毎日眩暈でまともに歩けず、耳鳴りも止まらなかったのです。かぼちゃに耳があるのかどうかは置いといて、両親も祖父母も変わり果てたカボタンを心配して、彼女を医者(植物学者)の所に連れて行きました。

CTスキャン等のあらゆる精密検査を行いましたが、結果は特に異常なし。眩暈や耳鳴りの原因は不明のまま、カボタン一家は野菜室に帰されるのでした。


カボタンが畑を休んでから2週間が経ちました。口座に振り込まれる肥料は、半分以上も減っていました。カボタンの眩暈は落ち着きましたが、まだ耳鳴りが残ったままです。この2週間、両親や祖父母の悲しそうな顔を見ていたカボタンは、もうこれ以上家族に心配はかけられないと思いました。


(このまま尻尾(つる)を巻いて逃げるのは悔しい。とりあえず水面下で転職活動を始めつつ、今の畑でボーナスをガッツリ貰ってから辞めよう)


カボタンは妙に現実的なことを考え初めました。

恐怖と悲しみが怒りと悔しさへ変わったカボタンは、まるで人(野菜)が変わったように開き直り、ブラック畑に対する反撃を計画するのでした。


(続く)