かぼちゃの悪魔

インド彼氏とのロマンスコメディーを書こうとして徐々に迷走し始めたブログ

日本かぼちゃばなし 5

※この物語はフィクションであり、実在の野菜・畑とは一切関係ありませんが、人間界で実際にあった出来事を参考に作られています。


~前回までのあらすじ~

2週間ほど畑を休んでいたかぼちゃのカボタンですが、心機一転、再びブラック畑に立ち向かうことを決心するのでした。



カボタンにとって久々の出勤日は、どこかぎこちない雰囲気が漂っていました。きゅうり女やトウモロコシ女が、引きつった笑顔でカボタンを迎えていたのです。パートのオバタブル達も、腫れ物を扱うようにカボタンに接してきました。

数日後、畑専務のロマネスコ夫人【ロマネスコ(Broccolo Romanesco):アブラナ科アブラナ属の一年生植物。カリフラワーの一種である。フラクタル形態のつぼみが特徴の野菜である。出典:Wikipedia】による恒例の「野菜魂を磨く会」に、カボタンも否応なしに参加させられました。

「いいですか皆さん、このままでは日本はダメになってしまいます!皆さんは、給料(肥料)を貰うためにこの畑で働いているのではありません。畑仕事を通して、野菜魂を磨くためにここにいるのです!そのためには、決して甘えてはいけません。枯れる気で頑張らなければいけないのです!畑仕事基準法なんて守っていられません。そんな法律はクソくらえですよ!」

いつものロマネスコ節が、この日は一段と炸裂していました。そしてロマネスコ夫人のドリルのような矛先は、カボタンへと向けられるのでした…


(続く)