かぼちゃの悪魔

インド彼氏とのロマンスコメディーを書こうとして徐々に迷走し始めたブログ

日本かぼちゃばなし 15

~前回までのあらすじ~

カボタン祖父という強力な助っ人のおかげで、カボタンは無事に退畑届を提出することができました。



カボタン祖父から強烈な電話を受けて意気消沈したキュウリ女は、やつれた顔でカボタンにこう言いました。

「はぁ…。カボタンのおじい様、ご高齢だから仕方ないけど、何か勘違いされてるようだわ。何か法律のことおっしゃってたけど、こんな些細なことで労基局に報告なんてされたら困るのよ。この退畑届は一旦受け取りますけど…」


(じぃちゃん何も勘違いしてないし、むしろ正論言ってるんですけど…)


カボタンは反論しかけましたが、相手が言葉の通じない野菜であることを思い出し、グッと堪えました。

「畑長と専務には2週間後の退畑ということで報告しておくわね。でもね、辞める前に必ずしてほしいことがあるの」

「はぁ…何でしょうか」

「これまで散々お世話になった専務に、最後のご挨拶をしに行きなさい」

「…は?」

カボタンは一瞬、自分の耳を疑いました。

「だから、2週間後の退畑を認めますから、専務にこれまでの感謝と今回の件に関する謝罪の言葉を直接伝えに行ってほしいの」


カボタンはキュウリ女に反論する気力を完全に失い、とりあえず返事を濁して帰る支度をしました。


帰宅早々、カボタンは新たな問題が起きたことを祖父に伝えました。


「何やとおおおぅ?!専務に挨拶だああぁ?!ふざけとるなオイ!もっかい電話させろや!!」


案の定、この件はカボタン祖父の怒りを再発させる火種となるのでした。


(続く)