かぼちゃの悪魔

インド彼氏とのロマンスコメディーを書こうとして徐々に迷走し始めたブログ

外資かぼちゃばなし 5

~前回までのあらすじ~

カボタンは野菜室の大掃除をしていたはずでしたが、いつの間にかスマホでチャットを始めました。一体いつになったら外資系の話が始まるのでしょう。



中学、高校の英語テストはそこそこだったカボタンですが、残念なことに英会話に関しては幼稚園児以下レベルでした。

しかし、ブラック畑から傷だらけの野菜戦士となって還ってきたカボタンに、もはや怖いものはありません。

カボタンはGoogle翻訳に頼りながらも、世界中の農産物達とのコミュニケーションを試みました。

それはまるで、全裸で油虫の大群に突っ込むようなものでした。


とあるチャットアプリでは利用者が完全に匿名で、相手の産地、年数、性別、顔も何もかもが不明という、どう考えても不信感しか生まれないシチュエーションが用意されていました。

そこではランダムに選ばれた知らない農産物と強制的にチャットが始まり、相手のことが気に入らなければ会話を即遮断することも可能でした。

変わり者のカボタンは、このアプリのシンプルさと匿名性と潔さに魅了され、しばらく利用してみることにしました。


ある時はアメリカ産、またある時はイギリス産、ハンガリー産、イタリア産、インド産、ドイツ産、シンガポール産、インドネシア産、ドバイ産…等々。

野菜に限らず穀物、果物、イモ、キノコ達とも話すきっかけを手に入れたカボタンは、今まで自分が知り得なかった世界を垣間見ることができました。


(私って、井戸の中のかぼちゃだったんだな…)


ほぼ毎日、世界中の農産物達と交流していく中で、カボタンはあることに気がつきました。


それは、

このアプリを利用する約90%が男であり、

その中の約5%は紳士であり、

残りの約95%は変態であるということ。


あの『植物変態論』を唱えたヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテJohann Wolfgang von Goethe、1749年8月28日 - 1832年3月22日)もビックリです。


そんなわけで、カボタンはネット上に蔓延る多国籍(多国産)変態紳士達のおかげで、下ネタを中心に語彙力をぐんぐん伸ばしていくのでした。


(続く)