外資かぼちゃばなし 18
~前回までのあらすじ~
ポテッタントから突然かかってきた電話に出たカボタンは、ポテッタントが何を言っているのか全く分からず、すぐさま電話を切ってしまうのでした。このペースじゃ全く進まねぇよこのシリーズどうすんだよ。
翌日、ポテッタントはカボタンにSkypeをやろうと誘いました。
カボタンは、それを躊躇しました。何故なら、両者の間で何一つ会話が成立しない可能性が高い、というか、それがほぼ確実だったからです。
“君が僕の言葉を何一つ聞き取れなくても構わない。僕はただ単に、君とSkypeがしてみたいんだよ”
カボタンは、何一つ会話が成立しない可能性を何度も何度も強調しましたが、ポテッタントは、それでも構わない、と食い下がりました。
カボタンは根負けし、その日の夜、ポテッタントとの記念すべき初の『何一つ会話が成立しないSkype』をすることになりました。
(あー外国産とSkypeとかマジ緊張するわー)
カボタンはしっかりと身なりを整え、皮に化粧を施し、パソコンにSkypeをインストールしました。
どうやらポテッタントは既にオンライン中のようです。
指定された時間になったのを確認したカボタンは、ゴクリと唾(汁)を飲み込み、緊張した面持ちでビデオコールのボタンをクリックしました。
トゥンティントゥン♪ティントゥンティン♪
(あーマジ緊張するわー…)
パッと画面が切り替わり、眼鏡をかけたインド産ジャガイモの姿が映りました。
「ハ ロ ー、カ ボ タ ン。 き こ え ま す か?」
「ハ、ハロー!ポテッタント!凄い、聞こえる!音が聞こえるよ!」
カボタンは興奮気味に、マイクに向かって叫びました。Skypeだと相手の口の動きが分かるので、心なしか電話よりも言葉が理解できそうな、そんな気がしました。
カボタンの目の前にいるインド産ジャガイモは、写真で見るよりも若干毛深い印象でしたが、そこにいるのは確かに、あのポテッタントでした。
ポテッタントは満面の笑みで、カボタンが英語を聞き取れるよう、物凄くゆっくりと丁寧に話し始めました。
「◎ $ ♪ × △ ¥ ● & ? # $ ?」
「…えっ?何?」
ポテッタントは溜め息をつき、悲しそうな表情を浮かべました。
カボタンは自らのリスニング能力の酷さを恨むのでした。
(続く)