かぼちゃの悪魔

インド彼氏とのロマンスコメディーを書こうとして徐々に迷走し始めたブログ

外資かぼちゃばなし〜番外編〜

"カボタンさん、突然のメール失礼致します。私は外資系親会社(親畑)の広報担当、アメリカンチェリーと申します。先日、カボタンさんが社内(畑内)SNSに投稿した英文記事をいくつか拝見しました。とても素晴らしい取り組みですね!是非、詳細についてインタビューさせて頂きたいのですが、いかがでしょうか?もし差し支えなければ、都合の良い日時をお教え下さい。お返事お待ちしております。"



(えっ?誰?)


カボタンは、突然のメールに戸惑っていました。


(へぇ…広報のインタビューか。こんなの初めてだな。緊張するけど面白そう。ちょっと上司に聞いてみようかな)


カボタンは自席から顔をひょっこり出し、上司の顔色、挙動、声色、時間帯を分析し、今話しかけても良いタイミングか否かを瞬時に見極めました。

カボタンはこの4年間で、畑の空気を読むスキルを完全に習得していたのです。


(今の表情と動きと声色と時間帯なら大丈夫だな、よし。行こう)


「あのぅ…白菜鍋さん、今ちょっとお時間宜しいでしょうか…?」


カボタンは渾身のハニカミ笑顔と困り眉と遠慮がちなポージングを意識しつつ、上司に話しかけました。


「あぁ、カボタンさん。全然大丈夫ですよ。どうしましたか?」


タイミング分析が間違っていなかったことに安堵したカボタンは、満面の笑みとやや恥ずかしげなポージングを意識しつつ、結論から先に述べ、なるべく要点を絞り、端的かつ明白に、例のメールの件を報告しました。


「えぇ?!親畑の広報からインタビューって…凄いじゃん!是非、受けてあげてください。きっと、カボタンさんにとって良い経験になりますよ」

「は、はい!ありがとうございます!」

「もしかして社内報(畑内報)に載るんじゃない?いやぁ…上司冥利に尽きるなぁ…」

「緊張しますが、頑張ります!」


上司から背中(背面)を押されたカボタンは、すぐさまメールに返事をしました。






プルルルルルル…プルルルルルル…


翌日、指定された時間ピッタリに、広報のアメリカンチェリーさんから電話がかかってきました。

カボタンはゴクリと唾(汁)を飲み込み、前日に何度も書き直したカンペを凝視しつつ、緊張と高揚で震える手(つる)を抑えながら、ゆっくりと丁寧に受話器を取るのでした。



外資かぼちゃばなし〜番外編〜 終わり)