外資かぼちゃばなし 22
〜前回までのあらすじ〜
太陽の光度並みに眩しい笑顔を振りまく茄子井さんのチームに所属することになったカボタンは、しばらくの間とても穏やかに暮らしました。
「あのさ、カボタンちゃんって彼氏いるよね?」
とても勘の鋭い茄子井さんは、満面の笑みでド直球の質問をカボタンに投げかけてきました。
「……います!!」
カボタンは冷や汗(汁)をかきながら答えました。言おう言おうと思ってはいたものの、茄子井さんにはまだ、インド産じゃがいものポテッタントと付き合っていることを打ち明けられずにいました。
「やっぱりー!年は近いの?」
「2個下です!」
「きゃー!年下なのね!素敵!いつから付き合ってるの?」
「2年前です!」
「そうなんだ!そっかー、彼はどこ出身の野菜なの?」
カボタンの眉がピクッとしました。
「……なんかこう、遠くの畑出身の……芋です」
カボタンは一生懸命言葉を選びながら答えました。
「えっ?彼、芋なの?野菜じゃないんだ!意外だね!遠くって、県外かな?もしかして遠距離恋愛?」
「……はい、(超)遠距離恋愛です!」
茄子井さんは、その巧みな話術と太陽の光度並みに眩しい笑顔でジリジリと、しかし確実に核心へと距離を詰めるのでした。
「そっかー、遠距離だと寂しいねー。毎日電話とかしてるの?」
「毎日ビデオ通話してるので大丈夫です!」
「えっ?毎日?!やだーもうラブラブじゃん!彼、優しいね!」
「……ありがとうございます、へへっ、茄子井さんは最近どうなんです?」
カボタンはさりげなく話題を変えようとしました。
「カボタンちゃんの話まだ終わってないよ」
「はい」
この数分後、カボタンはポテッタントとの馴れ初めを全て、茄子井さんに打ち明けることとなるのでした。
(続く)