外資かぼちゃばなし 17
~前回までのあらすじ~
カボタンは何となく再開したチャットをきっかけに、運命の芋、ポテッタントに出逢うのでした。
カボタンはしばらく、画面を拡大したり角度を変えたりしながら、ポテッタントの顔写真を凝視していました。
ポテッタントの顔面は、畑史上初と言っても過言では無いほど、カボタンのストライクゾーンど真ん中だったのです。
(こんなに髭の似合う芋、初めてだわ…)
カボタンは久々に胸(?)の高鳴りを感じていました。
カボタンが顔面の皮を桜色に染めていると、ポテッタントからまたメッセージが届きました。
"実は昨日、博物館に行ってきたんだ。写真送るね!"
間もなくして、ポテッタントから50枚以上の写真が送られてきました。
初対面どころか実際に対面すらしていない外国産の男性から大量の写真が送られてきたことに、カボタンは少し戸惑いました。
送られてきた写真を見ると、博物館の展示品をバックに、ぎこちないポーズを取るポテッタントや、研究室の仲間らしき農産物達が、無邪気な笑顔をこちらに向けていました。
ふと、カボタンはある事に気付きました。
「全員チェック柄のシャツ着てるやん…」
理系男子あるあるを垣間見てくすりと笑ったカボタンは、素敵な写真をありがとう、と返信しました。
カボタンとポテッタントは、その後も毎日メッセージのやり取りを続けました。
プルルルルル…プルルルルル…
ある日、ポテッタントから初めて電話が鳴りました。
「わっ!どどどどどどどうしよう?!」
カボタンは突然の着信に驚き、硬直してしまいました。
3回ほどコールが鳴っても、カボタンは緊張のあまり電話に出ることができません。
痺れを切らしたのか、ポテッタントはカボタンにメッセージを送りました。
"カボタン、驚かせてごめんね。もし良かったら、電話に出てくれる?"
カボタンはゴクリと唾(汁)を飲み込み、電話に出ました。
「ハィ…」
「ハロー!カボタン!」
「ハ、ハロー…」
「◎$♪×△¥●&?#$!?」
「えっ…?」
「◎$♪×△¥●&?#?」
「えっ…?ごめん、何だって?」
「%△#?◎&@□?◎$♪×△¥●&?#$」
「ごごごごごごめん、何言ってるか全っ然分かんないわ!」ブチッ
ツーツーツーツーツーツー…
(続く)