かぼちゃの悪魔

かぼちゃのかぼちゃによるかぼちゃのためのブログ

外資かぼちゃばなし 4

~前回までのあらすじ~

髪型に大失敗したお茶目なカボタンは、しばらく菌類として引きこもり生活を送ることにしました。



外資系畑に入畑するまであと2週間。

カボタンは早く髪が伸びるように祈りを捧げながら、日光浴と光合成を毎日欠かさず行っていました。


「それにしてもヒマだなぁ…」


熱しやすく冷めやすい性格(性質)のカボタンは、あれだけ憧れていた「ていねいな暮らし」や「オーガニックライフ」に早くも飽き初め、元の野菜生活に戻っていました。

TV、漫画、映画、SNS等々、思いつく限りの時間潰しを試みたカボタンですが、こちらも数日と持ちません。

クライマックスに向けて怒涛の展開を繰り広げては視聴者を置いてけぼりにする韓国の王宮ドラマを全60話コンプリートしてもなお、時間は有り余っていました。


何もしない時間が耐えられなかったカボタンは、とうとう野菜室の大掃除を始めました。

一度掃除を始めると完璧にやらねば気が済まないカボタンでしたが、しばらくして野菜室の奥から高校時代の懐かしい写真を見つけると、ふとその手(つる)を止めるのでした。

それは、高校の研修でオーストラリアに行ったときの写真でした。


「うわっ!若っ!この頃の私、まだまだ青いな~」


初の海外で、英会話力ほぼゼロの状態で2週間ホームステイをするという、やや無謀な挑戦をしたカボタン。

16歳のカボタンがあの時感じたカルチャーショックが、ふと蘇りました。



ホスト野菜ファミリーと会話が成り立たず、あまり馴染めなかったこと。

英語が絶望的に聞き取れなかったこと。

人前(野菜前)に出ると頭が真っ白になり、カオナシの如く「ァ…ァ……」としか発することができなかったこと。

BBQで酔っ払った高校生達が目の前で接吻(受粉)を始めたこと。

紫外線が強すぎて皮と葉っぱが焦げたこと。

ラーメンが不味すぎたこと。

それでもいつだって青空と海は格別に美しかったこと。



あのホームステイ以来、英語学習に対する意欲と自信をすっかり失ってしまったカボタン。

社会人(社会野菜)になっても、英語教材には見向きもしませんでした。


(でも、あの時感じたカルチャーショックなんて、ブラック畑のキチガイぶりに比べたら可愛い子羊みたいなもんだわ…)


カボタンは掃除を中断し、スマホを取り出しました。

そして手当たり次第にアプリをダウンロードして、世界中の農産物達とチャットをしてみることにしました。



(続く)