かぼちゃの悪魔

インド彼氏とのロマンスコメディーを書こうとして徐々に迷走し始めたブログ

日本かぼちゃばなし 20

~前回までのあらすじ~

初めてお客さんから名指しで褒められ、仕事の楽しさを実感したカボタン。キュウリ女も嬉しそうに朝礼で皆に報告するのでした。間もなくして、トウモロコシ女がカボタンに話しかけてきました。




「ねぇ、カボタンさん…」

「あ、はい!」

「お客様に褒めてもらえてよかったわね」

「はい!ありがとうございます!」

カボタンは嬉しさでテンションMAXだったので、トウモロコシ女にも満面の笑顔で返事をするのでした。


しかし、トウモロコシ女はすぐさま表情を曇らせました。

「でもね…私、あのお客様からちょっと変なオーラを感じたの」

「…は?」

「だから…あのお客様は、どこかにダークなものを抱えていると思うの」

「は?普通に明るい方でしたけど」

カボタンは怪訝な顔をしました。トウモロコシ女が何を言ってるのか、カボタンにはまるで分かりません。


「いいえ。私はあのお客様から闇を感じたわ。カボタンさんって、たぶん闇のある人(野菜)を引きつけやすいのね…だから、これからはもっとレベルの高いお客様に好かれるようになった方が良いと思うの。私みたいに♪」

「……」


カボタンは絶句しました。

そして、まるで腐敗した生ゴミを見るような目つきでトウモロコシ女を見つめました。

カボタンの表情があまりにも冷ややかだったので、トウモロコシ女は一瞬怯みました。

「ま、まあ高貴なお客様に好かれる方が、カボタンさんにもメリットがあると思うし!」

「……」

カボタンの軽蔑に満ちた眼差しに気まずくなったトウモロコシ女は、足早にその場を後にしました。

先程まで最高潮だったカボタンのテンションは、ものの数秒で急降下しました。タワーオブテラーもビックリです。


(やっぱりこの畑は私の居場所じゃないな…こんな腐った野菜と一緒にいるべきじゃない)


カボタンは、自分の決意が正しかったことを改めて痛感するのでした。


(続く)