外資かぼちゃばなし 1
むかしむかしあるところに、悪の組織ブラック企業(畑)からの脱出(日本かぼちゃばなし 1 ~ 最終回 参照)に成功したかぼちゃがいました。彼女の名前はカボタン。
カボタンはこの貴重な経験により一皮剥け、緩んでいた頭のネジ(種)がキュキュッと締まるのでした。
チュンチュン…チュンチュン…
小鳥達のさえずりと窓から差し込む優しい朝日で、カボタンは自然と目(芽)が覚めました。
清々しい朝です。
カボタンは庭に出て、思いっきり深呼吸(深蒸散)をしました。
「ふああぁ~今日も良く寝たなぁ」
カボタンがあのブラック畑から解放されてから、数日が経っていました。
転職先(転畑先)の外資系畑に入社(入畑)するまで、まだあと1ヵ月はあります。
カボタンはこの数日間、あまりにも自由で、健康的で、ストレスフリーな時間を持て余していました。
それはまるで、リンネルと原田知世に無印良品の世界観を足しっぱなしにしたような日常でした。
(あの時の悪夢がまるで遠い昔の出来事のようだわ…)
カボタンはゆったりとアイリッシュ音楽を聞きながら、ハーブティーをすすり(吸収し)ました。今朝の朝食は、無添加肥料を贅沢に使ったスープです。
プルルルルル…プルルルルル…
その時、カボタンの携帯電話が鳴りました。
(続く)